Detector
Image Sensor



イメージセンサ(Image Sensor)の性能評価


 前節ではイメージセンサの基本的な構成や動作原理等を見てきた。イメージセンサは以下の4つの基本的な動作原理がある

   
@受光(光電変換:光子から電子or電荷) ⇒ A電荷蓄積 ⇒ B電荷転送 ⇒ C電荷検出

CCDとCMOSそれぞれの性能おいてどのような特徴があるのかを見ていくことは重要である。
そこでこの節ではイメージセンサの性能はどのような観点を見る必要があり、また、CCDとCMOSを比較した際にどうなっているのかを
検証していこうと思う
(ここでの比較は一般的に言われていることで、ある特性に特化させればこのCMOSとCCDの比較は正しくないこともあることには注意していただきたい)

Type   CCD CMOS 
 構造    
  その他性能比較
混色    混色(クロストーク)・・・ある画素に入射した光が半導体内の光電子の拡散や遮光Al薄膜や回路等での多重反射によってとなりの画素の信号として検出されてしまうこと。

@拡散:空乏層内で光電変換した電子は電位勾配によりドリフトでフォトダイオードのN領域にあつまるが、空乏層の外では電子が拡散により移動しある確率で隣の画素に混ざってしまうことがある
A多重反射:多層配線の画素構造の場合PDからAl配線までの高さが高くなるために光の乱反射によって隣の画素に混ざる
                     
CCDイメージセンサは混色の影響はほとんど無視できる

@N基板をオーバーフロードレインとするPDの電気的特性、つまりP型基板ではなくN-Pwell-N基板構造なので、奥で発生した電子はN型基板に落ち込み再びN型のPDの井戸に入ることはないので、電子の漏れこみを非常によく抑えてくれる
A回路的な結合がないため配線で高さがでで乱反射になることがない
 
CMOSイメージセンサは画素構造や回路的な結合から混色の問題が発生しやすい。

@P型基盤であるCMOSは、P型で発生した電子は基板上等エネルギー上を拡散して隣の画素の井戸に落ちる確率がある
A回路的な結合があるために配線による高さが出てしまうので乱反射になる
 
電源/
消費電力
 
・3つ電源が必要である
・駆動電圧が高い(3V、5V、15V)
・垂直/水平CCDのような容量の塊を大きな電圧で駆動する必要があるFDアンプに高い電圧を与える必要があるため消費電力が大きい
この点ではCCDよりCMOSのほうが断然有利である
・1つ電源で十分である
・駆動電圧が低い(3V)
・消費電力はCCDよりもCMOSのほうが3-5倍程度低い
機能性  CCDイメージセンサはCMOSLSIとは異なるプロセスで製造されるため、CMOS回路を組み込むことが難しく応用範囲が狭い  CMOSLSIの回路製造プロセスをベースに作られているのでプロセスを変えることなく、センサ以外の機能を同一のチップに組み込むことが簡単であるため、信号処理や画像処理をセンサチップに組み込むことができる
スミア  CCDのある輝度の高い画素の電荷が垂直CCDで転送される電荷に交じることで縦筋が生じる特有のノイズである

実際の画像はこちら

理由として
@PD周囲部分の光電変換
A遮光Al開口縁からの反射、回折
B埋め込みPDのP型領域での拡散電流
C遮光Alの光透過
    
CMOSにはスミアノイズは発生しない
 
解像度     
分光感度     
残像  CCDイメージセンサ特有の残像の問題が起こる
理由として
時間的に前のフレームを表していたPDの電荷がすべて垂直CCDに転送できないために、次のフレームで以前のフレームの電荷が徐々に転送されてしまうことから生じる現象である
 CMOSには残像の問題はない
PD占有率  CCDはセンサ内に回路特にアンプ等を形成しないためにPDの占有率を大きくすることができ、感度が良くなる  CMOSはセンサ内に回路を形成するためにPDの占有率が小さくなる