(2)SS-OCT方式の基本原理
SS-OCTの全体の構成は以下の通りであった
xy分解能
次にxy方向の分解能に関して議論する
xy方向の分解能は不十分なサンプリング数によって画像が不鮮明化する場合と、
プローブ光のスポットサイズが十分小さくないために分解能が制限される。
ここでは、xy方向の分解能をz方向の分解能を考えたときと同じようなロジックできめる。
サンプリング数は十分だったと仮定して、FWHMのスポットサイズを凾ЁWHMとしxy分解能とすると、
上式のw0はGaussianビームウェストで、半値幅とビームウェストを比較して導かれる。
OCT用光源
次にOCT用光源に使用する光源に関して説明する。外部共振器型半導体レーザを除けば、2000年あたりでの技術レベルは
以下に示した光源が知られている。
上記をみてわかるように、光源の性質だけ見ると、広帯域で分解能がよいのが固体レーザやフォトニック結晶ファイバをもちいたレーザである
ことがわかるが、コストの観点で広く使われているのがSLD光源である。
今後はフォトニック結晶系の価格をどの程度抑えられるかによって主流になる光源もかわってくると思われる。
Photo detectorの感度とノイズ
SS-OCTにはPhoto detectorを用いて干渉信号を検出する。その時のノイズは避けて通れず、精度悪化の要因になる。
ここではそのノイズと信号の関係に関して述べる。
PDでの有効的な光電流(信号)は干渉項のみからくるので、
となる。ここで、ηはPD光電変換効率、Pはサンプルとリファレンスの強度で、qは素電荷である。
ではノイズはというと、以下の4つを考える。
@ショットノイズ
AExcess noise (Relative Intensity Noise)
BReciever noise(thermal noise) 熱雑音
Cflicker noise フリッカーノイズ(1/f noise)
である。通常CのPDのアンプで発生するこの1/fノイズは、その名の通り量が信号周波数1/fで減衰するため、
ディテクタにハイパスフィルターをおおよそ10kHz程度に設定して、低周波は通過しないようにする。
そこで今回考慮するのは@ABの主要ノイズを考える。それぞれのノイズの和は以下のようになる。
ここで、Bは計測周波数帯域で刄ヒeffはディテクタに入る有効波長帯域、ρLは有効ロード抵抗でアンプノイズも抵抗として含んでいる。
ビームスプリッタが理想的な50:50で分割できるとした場合、サンプル面の反射率をRとすると、
Signal to Noise Ratio(信号雑音比)は
上式のSNRとサンプルからの反射率の関係をグラフに表した。
上グラフの関係は入射光量:10mW、量子効率:0.8、波長800nm、レファレンスミラーの反射率:0.99、計測バンド幅:100kHz、
レシーバノイズ電流:0.5pW/√Hz、偏光度:1、波長幅:250nmとしたときの結果である。
Excessノイズが一番大きく、その次がショットノイズ、最後に熱雑音となっているが、これらの関係は入射光量計測帯域等に関係するため、
一概にどの雑音が一番効くかを議論することは難しい。つまり、対象とするものに対して計算するしかない。