Detector
Photo Diode


 この節ではLEDを実際に発光させて、その強度をPDで検出してみようと思う。


今回使用している光源は白色LEDとディテクタはフォトトランジスタである。

フォトトランジスタはPDとトランジスタのベースコレクタ間に接続されている。

フォトトランジスタの目的としては、PDからの電流を増幅する役割がある。

以下フォトトランジスタの構造図を示す



通常PDには光が入射したときに光量が発生しないように逆バイアスをかけてP型とN型のポテンシャル差を

大きくしておく。

光が入射すると、電子はコレクタのN層に、正孔はベースであるP層に各々移動する。

その結果ベースとエミッタ間に順バイアスされ、通常のトランジスタ同様、エミッタにより電子の移動がはじまり

ベースを通り抜け少数のキャリアである電子に対して順バイアスされているコレクタに収束される。

このように、光の強弱によってベース電流が変化し、増幅されたコレクタ電流もそれに応じて変化する。

この変化するコレクタ電流Icは、

Ic = ICBL×hFE

ICBLは光電流で、hEFはトランジスタの増幅率(通常500−1000)である。

よってこのようにフォトダイオードだけでなくトランジスタと接続することで、感度を上げることが可能となる。

今回使用する部品のスペックは下記の条件である。

 項目  
LED  LEDの節で説明したLEDを使用
フォトトランジスタ   
型番  東芝:TPS603A 
波長特性   ピーク波長 720nm
I-V特性   
指向性    Half Value Angle 55°
その他スペック  http://tokyo-ct.net/usr/kosaka/for_students/lineTrace/appendices/en_20010906_TPS603A_datasheet.pdf 

では、今回行う実験系(実験回路図)に関して説明する。どのような回路を作ればいいのだろうか?

カタログで記載されているようにコレクタ-エミッタ間に20Vまでは電圧をかけてもよく、

また、コレクタ電流は20mAまで電流を流してもよい。

そこで今回は9Vの電圧にして、抵抗を2.2kΩ程度にしておけば、4.5mA程度しか最大でも流れないので

抵抗と電圧を上記のようにセットする。



である。LEDの回路に関してはLEDのところで議論しているので、そちらを参照してもらいたい。

実際の様子




実験結果

実際にE2=9Vにして、Ev=7.5Vにしたときのフォトトランジスタの回路における

抵抗電圧と電流の結果が以下のようになる

dark room light LED ON
V(V) 0.0088 0.127 8.11
I(mA) 0.004 0.058 3.68

カタログ値で示されているようにダークカレントは10.uA程度であるとのことであるが、

実際もそのような結果(4uA)が得られている。

さらに、部屋の光を入れると流れる電流は58uAまで上昇し、部屋の光に対してでも十分に感度があることが分かる

次にLEDを発光させると、流れる電流値は一気に増大し3.68mAまで増大する。

今後の課題

・今回得られた結果が本当に妥当なものであったのかどうか検討する必要がある
そのためには発光受光における放射角度特性や波長ごとの感度も加味して受光光量を見積もる必要がある
今後その検討を行っていく予定である