この節では、SLDのノイズに関して簡単に説明しようと思う
光源強度Pとした際に、信号は
である。ηはディテクタの量子効率、qeは素電荷、hバーはプランク定数を2πで割った値で、ω0は光源の中心波長である。
SLDのノイズを考えるときに以下の重要な3つのノイズを考える必要がある
@ショットノイズ(Shot Noise)
ARIN(Relative Intensity Noise)
B熱雑音(Thermal Noise)
である。@,A,BのノイズはLDやLED等の光源を用いる場合でも登場する。
@のショットノイズは、ディテクタでの電流が平均値が一定であっても、
電子の流れを時間的に見るとランダム性があるので、そのランダム性をショットノイズという。
そのノイズ量は、
で記述される。 ここで、idcはディテクタで流れる電流(平均値)である。
AのRINに関してであるが、これがSLDの特徴として現れる(光源によって異なるノイズ量)ノイズである。
このノイズは前節でも述べた、構成する光源スペクトル周波数の電場の重ね合わせによるビート信号である。
つまり、SLDやASEでは構成する光源スペクトル周波数が広帯域になるため、ある二つの周波数の電場の重ね合わせによって
ビート信号が生じノイズを発生させる。
ASEやSLDが無偏光状態だった場合、RINの大きさは
(Derickson 1999)
となる
もし無偏光でなかった場合で、偏光度がΠであった場合、
(Podoleanu and Jackson 1999 1999)
と表現される。
Bの熱雑音(Thermal noise)は、別名Johnson noiseと呼ばれ、抵抗のある導体の中で光電流がなくても伝導電子が
絶えずいろいろな速度で動きまわっているので、抵抗の両端では絶えず電流量が変動する。
その電流量の変動は
と表現される。Reffは有効抵抗であり、kはボルツマン係数、Tは絶対温度、Bは帯域幅である。
もし、ディテクタの増幅器が理想状態であるならば、抵抗はディテクタのロード抵抗となる。
しかし理想状態ではないのでReffとして増幅器の効果を取り入れる。
それぞれのノイズは以下の二乗和の式で表現される。
である。
参考論文:Theory, developments and applications of optical coherence tomography