Transfer
Fiber Optics


 
この節ではファイバー転送方法に関してもう少し詳しく調べてみると、

ファイバカプラを用いて光を分岐したり、合波したり、異なる二つの波長を合波したり、分岐したりと

いろいろな方法がありそうであるので、それらに関して方式とその簡単な基本原理をまとめようと思う。

これらのファイバカプラはほとんどが1300nmや1550nm等の通信波長帯域で開発されている


ファイバカプラの種類

@波長選択型
光ファイバカプラ
自然波長依存型
光ファイバカプラ
分散性
光ファイバカプラ 
異種
光ファイバカプラ
 回折格子付き
光ファイバカプラ
外部分散素子付き
光ファイバカプラ 
構造           
原理 
2本の光導波路を重ねてエバネセント結合させることで、導波モード間の結合定数が大きくなり波長依存性がでる。
この波長依存性を用いて異なった波長を分波したり合波したりする。 


コアとクラッドにガラス成分(GeやFの添加の程度)が異なる材料を用いれば、コアとクラッドの屈折率差が波長により大きく変化する光ファイバができる。このファイバを分散性光ファイバとよび、このファイバでつくられたファイバカプラである

分散性光ファイバの特徴は、特定の波長のみで導波モード間に同期を起こさせ、その波長の光を分離できることである

 2つの光ファイバのコア系や屈折率分布の異なるファイバを結合させると、特定の波長でのみ伝搬定数を一致させることができる。  光ファイバカプラを狭帯域化するには、結合領域を長くして、波長変化を大きくする必要があるが、研磨型ファイバカプラに回折格子をつけることによって狭帯域化が可能である。
片側にエッチングで溝を掘り、ブラッグ反射結合を利用して結合電力を得ている
 
種類 
@研磨型光ファイバカプラ
(クラッドを研磨し、コアを互いに近づけ、エバネセント結合させる)

A溶融型光ファイバカプラ
(2本のファイバを溶融して結合させる) 

  @コア径や屈折率を変化させたファイバカプラ

A異なった2つのコアを持ったファイバカプラ

B異なった光ファイバを用いた2段溶融形光ファイバカプラ

 
   
用途 
・波長多重通信用の合波器・分波器

・光ファイバ増幅器・光ファイバレーザにおけるポンピング光注入用の素子
     



A波長無依存型
光ファイバカプラ 
異種
光ファイバカプラ
光ファイバ
Y分岐
分散性
光ファイバ
縦続接続
光ファイバカプラ
構造         
原理 
 光ファイバの外径や屈折率分布の異なるファイバを用いると、光の移行量は減少するが広帯域化される。というのは、Kの値が位相不整合刄タ≠0のため大きくなり、C/K<1となるためである。
 光ファイバY分岐は、導波モードの界分布の対称性と構造の対称性を利用して波長依存性を小さくしている。
上記は入力ポートからLP01モードを入力し、徐々に出力ポート1と2に電力を分けていく。
この方法は基本的に2本の光ファイバに電力を半分ずつにしかできない
 コアとクラッド間の屈折率差が波長が長くなるにつれて大きくなるものがある。
このようなファイバを用いれば導波モードの界分布の広がりが抑制されて波長依存性のない光ファイバカプラができる。

光ファイバカプラを多段に縦続接続して、お互いの波長依存性を打ち消す方法がある。
上記のように接続すると、全体の通過電力P1とP2はそれぞれ、



となり、ここで以下の条件



も採用すると、



となり波長依存項Cがなくなる
 
種類  @溶融型光ファイバの一方をテーパ状に細くすることで分岐比の波長変動が小さいものを得た    @コアガラス/クラッドガラス=BaCD1/ADF10
のファイバカプラ
(通常はコアとクラッドの屈折率差変化は小さい
コアガラス/クラッドガラス=BaCD1/BaCD2) 
 
用途 
波長無依存光ファイバカプラは、光源、光ファイバ、光通信システムなどの状態監視のためのモニタ光の取り出しや、受光素子や光デバイスの検査のために用いられる

    

B分岐比可変
光ファイバカプラ 
構造           
原理           
           

C光ファイバ
スターカプラ
構造           
原理