さらに進んだ誤差の扱い


4.2  最小二乗法

(1)問題提起

よく実験では二つの物理量の関係を明らかにするためにグラフを用いることが多々ある。

その際に y=f(x) を決定することになるが何かいい決定方法があるのだろうか?



(2)最小二乗法

n個の測定値(x1、y1)、(x2、y2)、・・・・・、(xn、yn)があるとする。

ここではx値に誤差がなく、yのみ誤差があるとする。

任意のi番目の測定値 yi がある関数y(x)に従うとすると、誤差量は、



最良のy(x)の形は何であろうかと考えた際に、最良の関数y(x)は各測定値からの誤差量の総和が

最小値になることである



よって、これが最小二乗法と呼ばれるゆえんである

では、グラフに関数を描く際に、ある理論的根拠からyとxの間にはある関係式の関数を描きたいと思う。

例えばそれが直線;y=ax+bである場合、最良のaとbを決定したい。

上式の最小二乗法の関数において、y(x)に含まれる決定したい係数がa1、a2、・・・・・、anだとすると

上式は次のように書き換えられる。



この係数a1、a2、・・・・・、anは以下のようにn個の連立方程式を立てることで決定できる



つまり、誤差量の総和Eがa1、a2、・・・・・、anが最良に選ばれていたとすると

各aの係数を変化させてもEが最小値ならばEの変化量は0となるところから上式の連立方程式が導かれる

しかしながら注意しなければならないことは上式の連立方程式はEが極小値をとっていても

成り立つという点である。つまりEが最小値をとっていない可能性がある。

その際には連立方程式の解の組み合わせがいくつかあるので、

最小になるものを特定する作業をする必要がある