limit of detection

方針

測定器の検出限界を見極めることは大変重要である。

つまり、
測定器には不規則変動を与える現象があり、これらは雑音(ノイズ)として知られており、

精度に限界を与えることを理解し、どのような雑音が世の中に存在するのか理解する
必要がある

雑音の種類 原因 内容
ブラウン運動 原子のランダムな運動 糸でつながれた小さな鏡がある。角度変位θに対する復元力がcθのとき、

ポテンシャルエネルギーは、



となる。鏡は絶え間なく気体の分子の衝突を受けており、それらの時間平均は0である。

しかし、瞬間的には0ではなく、鏡は平行位置から不規則に変動している。

鏡が気体分子と熱平衡状態にある時、エネルギー等分配則より平均のエネルギーは、



であるので、平均振幅の二乗平均は、



となる。kの値が小さいので室温では小さい、しかし小さいなcに対しては

その変動も無視できなくなる。鏡の振動は、圧力を小さくすることで高速の変動から

正弦波の揺れに変わる。

ジョンソンノイズ
(熱雑音)
抵抗内の伝導電子

の熱運動

温度Tでの抵抗Rは不規則な起電力が生じる。これは、抵抗内の伝導電子の

熱運動により生じると考えられている

これを、周波数解析を行うと周波数が f 〜 f+df の範囲にある電圧の2乗平均は





不等式が成立するときに上式は成立する。

上式からわかるように、ジョンソンノイズは周波数によらずに一定である。

ショットノイズ  粒子の流れの

時間的な不規則性 

ショットノイズは光子や電子の流れの時間的な不規則性からくるものである

ここでは、電流に関して考えてみる

電流は電子や正孔といった粒子が流れる、つまり、電荷があるものが回路上を

流れることであるが、時間間隔を区切って考えると、ある時間間隔内にある粒子の数と

異なる時間間隔内にある粒子の数は一定数ではなく揺らいでいる。

この揺らぎをショットノイズという。粒子数はポアソン分布に従うため、

平均粒子数がnのとき、揺らぎの粒子数は<n^2>=nになる。よって、



これは、平均粒子数が大きいほどSignalとNoiseの比がよくなることを意味する

1/fノイズ

or

フリッカノイズ 
構成部品の質に

依存するノイズ 

例えば、カーボン抵抗は接触抵抗を持つ多くの小さな顆粒からなる。

電流を流すと顆粒の小さな不規則な動きが全体の抵抗を変化させ、

両端の電圧が時間とともに変動する

このノイズは周波数に対して1/fの周波数特性をもち、低周波数において大きな値をとる。

半導体デバイスにバイアスをかけると、多数キャリアや少数キャリアが結晶の結合部で発生したり

再結合したりする速度の変動からフリッカー雑音が生じる。
 
その他の雑音