Nonlinear Optics
Coupled wave equation

 次にパラメトリックな相互作用(2つの光によって3番目の光を増幅する相互作用)や高調波発生等の周波数変換等の

議論を行う際に次の結合波動方程式(Coupled wave equation)を導いておく必要がある。

この節ではその結合波動方程式の導出を行う。

第2次高調波発生で現れる2次の非線形分極の複素振幅は、



となる。角周波数ωjの光と角周波数ωkの光が結合すると、和周波成分



となり、差周波成分は



となる。また、電場の3次が関係した非線形分極PNLは、第3次高調波発生、光カー効果、四光波混合などを引き起こす。

 次に第2高調波発生や周波数変換のような3つの光の混合を記述する方程式を導く。

z軸方向に伝搬する角周波数ω1、ω2、ω3の3成分の光、



この式を前節で導いた非線形波動方程式に代入すると、

@左辺は、



を考慮して第3項を無視した。というのは、媒質中(結晶中)でE(ωj)の変化は波長より十分長いzの距離でゆっくり起こることを

仮定しているため。(つまり、第2高調波発生は距離に対して十分ゆっくりと発生する)

A右辺の第1項は、



となる。

B最後に非線形分極項PNLは、今定常状態を考えているので、分極の時間的な発展はないと考えると、

すべての微分項は0となるのと、3つの光波ω1、ω2、ω3のうちω3が一番高い角周波数とするとω3=ω1+ω2なので、



となり、@,A,Bを整理すると、



上記はdE1/dzの成分に着目して方程式を立てたが他の成分に関しても計算すると



通常χの2次の成分は偏光と周波数を同時に入れ替えても値が変わらないので、

今後3つのχを2次の非線形光学係数dとして表すことにする。