Light - Atom interaction

2準位原子

ここでは、多様な光と原子の相互作用に関して説明する。

光と原子の相互作用においてもっとも基本的な考え方は、光の入射時に光に共鳴する原子の2準位間の遷移である。

(共鳴とは光のエネルギーと原子の2準位間のエネルギーが等しくなっている状態で相互作用が一番強くなる状態である)

このとき光の電場に比例する線形分極が生じて、その分極を介して原子の励起準位への分布が起こる。

この過程をどのように扱えば表現できるかに関して議論していく。

図に示すように原子がもつ多数の準位の中からある2つの準位を取り上げて扱う際に、

その2つの準位のみを持つ仮想的原子(2準位原子という)を考える。その2つのエネルギー準位をEe、Egとする。

添え字のeはexcited state(励起状態)でgはground state(基底状態)を表している。



対応する固有関数をψe()、ψg()とすると、波動関数はそれぞれ



とあらわされる。2準位系の波動関数はこれらの線形結合で与えられ、



シュレディンガー方程式



に従う。ハミルトニアンは、



のように、非摂動と相互作用の2つの部分に分けられる。非摂動ハミルトニアンは



を満たす。線形結合した波動関数をシュレディンガー方程式に代入して、左からをかけてに積分すると、



を得る。左からをかけて積分すると、



を得る。ここで、とした。また、



と記した。