原理
光を用いた内外面計測装置はいくつかの方法が知られている。例えば、MEMSを利用した小型格子パターン投影システムやペン型の共焦点法があるが、一括で測定できなく回転機構が必要で測定時間がかかることや、装置が大型になる。
そこで、現在リングビームを用いた方法が提案されており、各種の管やエンジンブロックや人体の口腔などの生体器官の内部を測定するのに有効な手段としてなっている。ここでは、まずその原理についてみてみよう。
下の図がリングビームデバイスの光学系である。図に示したように円錐ミラーと半導体レーザで構成されている。
円錐ミラーにレーザ光が入射すると入射光に対して垂直にリングビームが広がる仕組みになっている。
リングビームデバイスとカメラの間の基線長 l 、光セクショニング面の半径r(z、θ)は幾何学的な計算から求められる。
光セクショニングされた部分の光強度は図2(b)のr−Iのグラフで示されたように半径rに対して光強度Iはガウス分布を描くため、
とあらわすことができる。
両辺に対数をとると
となり、
と置き換えることができる。
最小二乗法によってフィッティングすると、
がえられる。このガウスフィッティングによって画素間に失われた情報r0を引き出せば、サブピクセルで内径を計算することが可能である。
装置
下に示した写真が小型内面測定装置である。半導体レーザ(波長655nm ,3mW)と直径8mmの円錐ミラー,直径8mmのCCDカメラで構成されている.装置の寸法は直径15mm,全長は127mmである.半導体レーザや円錐ミラー,
CCDカメラはパイレックスガラス製の透明円筒によって連結されている.現在までに直径8mm,全長110mmのものまでが完成しており,現在は直径4mmの装置を開発している段階であるらしい.
測定結果
直径50mmのリングゲージを用いたときに精度は25umである。この装置を用いて配管のサンプルの内面形状を測定した結果が上の図である。3.2mmの付着物を検出できていることがわかる。