Nonlinear Optics


 全波整流回路についてこの章では説明する。

全波整流回路は先ほどの半波整流回路よりもripple voltageを小さくすることができる

多少優秀な回路である。実際の回路の一例は下のようになっている。

 半波整流回路はサイン波の負の電圧がダイオードによって削られて、

正の電圧のみが検出される回路であった。

下の全波整流回路に至っては、負の電圧の方を正に折り返した信号がvLで検出される。







vLの結果をより検証するためによりわかりやすい等価回路で置き換えて考えることにする。

この回路の等価回路は理想変圧器であるならば以下のようになる。




viが正のときはD1に電流が流れD2には流れない、

逆にviが負の電圧のときは、逆の関係になるので、D2に電流が流れD1には電流が流れない。

回路の閉じ方が、viの正負によって変わらないので、常に正の電圧がvL(抵抗にかかる電圧)にかかる。

よってvLの電圧は時間に関して、上に示したような電圧変化を示す。

これを式で表現すると、

であり、これをフーリエ展開し、周波数に関して陽にすると、

となる。

この結果として特徴的なのは、直流成分が半波整流器に対して2倍の値を示している。

冷静に考えてみれば、山の数が2倍になっているので当たり前ではある。

次にRCフィルタによって直流成分を抽出することを考えると、

となり、ripple voltageの比率は0.2%程度であることがわかる。

半波整流に関しては1%程度あることに比べると5倍程度改善されていることが見て取れる。