Raman Spectroscopyとは
Raman Spectroscopyがなぜそんなに重要なのか?
NMRや従来のIR分光法と並んで、ラマン分光法は有機物質を調べるための最も強力な技術の一つです。
物質が実際に何でできているかについての教えてくれます。ここで言う物質とは日常的に遭遇するあらゆるものとしての「物質」です。ラマン分光法は、合成した分子が実際にどのように見えるかの情報を教えてくれます。より詳しく言うと分子の振動から得られるラマンスペクトルから、その物質が何で出来ているのか教えてくれます。
Low-Cost Raman Spectrometerを製作するにあたって以下のサイトをまずは参考にしてみた。
https://www.open-raman.org/build/starter-edition/
Low-Cost Raman Spectrometerでまず検討すべきことは以下が挙げられる。
分野 | 小項目 | |
---|---|---|
光学 | ラマン光学系デザイン | https://www.thepulsar.be/article/diy-raman-spectroscopy/ |
化学 | ラマンと分子振動の関係 | FTIR Blog – PerkinElmer Japan ラマン分光装置と赤外分光装置(FTIR)の比較 – HORIBA |
ソフト | ラマンスペクトル解析 | |
メカ | 照明系、分光器 | |
エレキ | 波長安定光源 | |
カメラ |
まず検討していくべき順番は、化学 → 光学 → エレキ → ソフト、メカであろう。
Design of a Rman Spectrometer
ラマン光学系をデザインするにあたって考慮すべき光学の項目は、
https://www.thepulsar.be/archives/
を参考にすると、
- 波長帯域(回折格子)
- 波長分解能(結像スポット、レーザ波長幅、回折格子)
- 光学効率(センサ感度、光学効率)
- など
が挙げられる。これらの観点を考慮に入れてラマン光学系をデザインすることが必要である。
化学結合の振動からわかる必要なスペクトル領域
ラマン分光に必要なスペクトル領域(波長範囲)をどのように決めればよいだろうか?
まずは、ターゲットとなる対象物を決める必要があるが、ラマン分光に限らず、赤外分光:FTIRの対象物の主なターゲットは有機物や無機物になる。上のリンクに記載があるように、FTIRで物質の各化学結合の振動領域をまとめているデータを示したサイトがあるので、下に示す。
この表は以下のリンクを参考にしているが、有機物の各化学結合の振動がどの波数に現れるのかを示している。ここからわかることとして、有機物の主な化学結合の振動スペクトルは4000~500cm-1付近に収まっている。
FTIR Blog – PerkinElmer Japan
次に無機物に関して調べてみると、
無機物に関してみても、カバーしておくべき波数領域は4000cm-1以下である。以上からカバーしておくべき波数範囲はざっくり、4000cm-1~400cm-1ぐらいであろう。実際の光学設計を行う場合には、波数範囲から波長範囲に変換しないとならない、つまり、(波数)=1/λの変換である。さらに、ラマン分光の場合は2光子過程のプロセスであることから、励起光の波数+上記の化学結合の振動波数として現れる。よって必要な波長範囲は、λ=1/(励起光の波数+上記の化学結合の振動波数)である範囲を考える必要がある。条件が分かったので、ここからレーザやカメラや回折格子のコスト等から具体的な波長範囲を決めていくことになる。
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